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「地下鉄の女」
僕は
地下鉄でいい女を見つけたとしても
ジロジロ見たり
チョロチョロ見たりしない。
直接見つめたりもしない。
走行する地下鉄の窓越しに
反射するその女性を
間接的に見るのだ。
まわりの誰にも気づかれず
思う存分その女性を見つめるのだ。
そして
その女性の目に向かって念じる
「こっちを見て
僕の視線に気づいて
これはきっと恋の始まりなんだ」と。
もし万が一奇跡が起きて
反射する窓ごしに
その女性と目が合って
自分の視線に気づかれてしまったら・・・
(a)自分が見ているのは
窓に反射するその女性ではなく
窓外に流れる地下鉄の暗い壁の線で
あるかのように振る舞うのか・・・
あるいは
(b)反射する女性の虚像から
実像にゆっくりと視線を移し
軽く微笑んでみるのかは・・・
その時に持ち合わせた
僕の勇気とやる気次第で決定される。
僕は暗闇を走る地下鉄が好きなんだ。
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